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国民健康保険料の計算方法

どうやって算出しているの?

市町村により、計算方法はさまざま

健康保険料は、基礎分(医療)、支援金分、介護保険分の3つにわけて計算されます。このときの計算方法は市町村によって違うので、一概に「○○円」と言えないのが難しいところ。もちろん各市町村によって「保険料が高い」「保険料が安い」の格差も出てきます。

掛け率などが市町村で違うのに加え、世帯の中の加入人数、40歳以上の人の介護保険料分の加算、固定資産の有無などで世帯によっても保険料が大きく変わります。

前年の総所得金額-基礎控除(33万円)=賦課基準額を基に計算します

東京都世田谷区の例
平成28年度世帯の国民健康保険料の計算式((1. 2. 3.)の合計額)

区分所得割額均等割額
1.基礎(医療)分(最高限度額54万円)加入者全員の賦課基準額×6.86%加入者数×35,400円
2.支援金分(最高限度額19万円)加入者全員の賦課基準額×2.02%加入者数×10,800円
3.介護分(最高限度額16万円)40歳から64歳の方の賦課基準額×1.52%40~64歳の方の加入者数×14,700円

引用:世田谷区

基本的には賦課基準額を基に、基礎(医療分)、支援金分、介護保険分、それぞれの所得割額と均等割り額を計算します。この際の掛け率や加入者数に掛ける均等割の金額が市町村格差の大きな差となってくるんです。
しかもこの掛け率は据え置きではなく、毎年市町村ごとに見直され改定されます。そして市町村による保険料格差は「企業からの税収」「その自治体の保険料滞納者の数」によっても左右されるとのこと。滞納者が多い自治体では税率を上げざるを得ないのが現状です。

年収400万円、夫婦+子2人国保加入世帯の保険料例はこんな感じ

大阪府堺市在住、夫婦2人+子供2人(未成年)、年収400万円(所得260万円)
均等割額:36,840円×4人=147,360円
平等割額:30,480円
所得割額:{260万円-33万円(基礎控除)}×11.80%=267,860円
合計金額:445,700円
(40歳以上の場合は、これに介護保険分が追加される)

引用:wikipedia国民健康保険税

この計算式には介護保険分は入っていません。なぜなら介護保険分は40歳以上65歳未満の国保加入者のみ対象となり、加算されるからです。仮に世帯主が40歳以上だと仮定すると年間104,627円の介護保険分が加算されます。

保険料を自分で簡単に算出したい

国民健康保険料自動シュミレーションが便利

国保の保険料を自分で計算するのって面倒ですよね。まずは市町村の計算式を手に入れ、掛けたり足したり・・・。そんな人に便利なのが自動計算サイト。お住いの市町村、年収や家族構成、固定資産の有無などを入力しておおよその保険料がわかります!

■国民健康保険自動計算サイト ←こちらのサイトの方が正確なようです
■国民健康保険計算機

ちょっと得する国民健康保険マメ知識

無職でも国民健康保険料は払うの?

前年に収入があれば払います

保険料は退職する前年の給与を元に計算され、無職になっても会社員時代と同様の保険料が請求されます。会社員は保険料を会社が半分負担してくれていましたが、無職になったら全額自分で払わなければなりません

参照:明るく楽しく無職生活ブログ

ということは、職を失って無収入になったとしても前年の所得に応じで保険料が決まり「お金はないけど保険料の請求が来る」という踏んだり蹴ったりの状態にもなりかねないってこと。特に定年退職の場合、前年の定年間際、年収はそれなりにあるはずですから・・・。考えるとちょっと怖いですよね。

それに退職して個人事業主になった1年目など、保険料の支払いが重くのしかかるケースはいろいろありそう。

同一世帯の世帯主に収入があれば保険料の支払い義務があります

国民健康保険料は世帯ごとに請求されるので、個人に収入がなくても世帯主に請求がきます。世帯主は会社でいうところの「社長」にあたり、世帯員は「社員」と考えれば、社員には支払い能力はなくても会社にはあるだろうってことですね。

保険料の軽減措置はある?

世帯の誰にも収入がなければ(低ければ)軽減措置が適用されます

一般的には前年の世帯所得の水準と世帯内の加入者数(世帯主を除く)によって減額割合が7割・5割・2割という段階で軽減されます。

参照:国民健康保険

この軽減措置は、加入世帯の収入がない、もしくは低収入であることをきちんと申告しておかないと適応されないので、減額してほしい場合は窓口できちんと申請しましょう。「払えなくて苦しい」からと言って滞納し続けていても督促により必ず払うことになります。それならきちんと申請して減額してもらった方がいいですよね。

市町村によってどのくらい違う?

年間345,015円も違ってくることも!

順位都道府県市(区)年間保険料最安市との差額年収割合
高い1位広島県広島市636,735円+345,015円15.9%
2位兵庫県神戸市593,697円+301,977円14.8%
3位北海道函館市574,067円+282,347円14.4%
4位大阪府東大阪市552,515円+260,795円13.8%
5位山形県山形市531,155円+239,435円13.3%
参考28位(99位) 大阪府大阪市471,454円+179,825円11.8%
48位(79位)愛知県名古屋市435,581円+143,861円10.9%
55位(72位)神奈川県横浜市423,501円+131,781円10.6%
92位(35位)東京都23区354,049円+62,329円8.9%
安い5位(122位)神奈川県平塚市323,805円+32,085円8.1%
4位(123位)愛知県春日井市321,730円+30,010円8.0%
3位(124位)神奈川県相模原市313,900円+22,180円7.8%
2位(125位)愛知県相模原市294,280円+2,5600円7.4%
1位(126位)静岡県富士市291,720円±0円7.3%

引用:国民健康保険料 高い自治体ランキング

表は収入400万円、単身、介護保険未加入者で計算した例ですが、年収、資産の有無、加入者の年齢などによって金額は変動します。
それにしても、保険料が高いといわれる広島市、保険料が安いといわれる富士市では年間345,015円、月額にして28,751円もの開きがあるんですね!ちょっと驚く金額です。

保険料支払いが困難なとき

収入を申請し基準を満たせば減額される可能性も

会社の都合で解雇された場合(特定受給資格者)や、病気などよんどころない事情で解雇、または契約更新されなかった場合(特定理由離職者)などに認定されれば、保険料7割減になることも!

災害や病気などにより生活が著しく困難になった場合や、前年より大幅に所得が減った場合などに保険料の全部、または一部が免除されます。申請手続きは各市区町村役場で行いますが、認可が降りるには審査があります。

参照:国民健康保険

なんと全額免除という場合もあるんですね。支払いが困難だからって滞納するよりは、とにかく窓口に出向いた方がよさそう!ちなみに滞納期間が1年6か月を超えてしまうと、保険給付の差し止めとなり、医療費が全額負担になってしまいます。役所から「差し押さえ予告の通知書」が届いたら督促も最終段階。そうなる前に手を打ちましょう!

未払い期間があっても分割対応してくれるのでまずは相談

支払困難のため未納期間があり、なおかつ現状で国民健康保険料を納めていれば、未納期間分について分割誓約書を書いたうえで滞納分を分割してくれることもあります。分割回数は支払い能力などによっていろいろですが、分割誓約書は有効期限(最長1年)があるのでその度に更新が必要です。それでもまずは滞納せずに、減額や分割について窓口に相談してみましょう。


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