「夫の国民健康保険の扶養に入る」 実はこれ、存在しない制度なんです。「会社勤めの夫の社会保険の扶養に入る」ことはできるんですけどね。混乱しやすい国民健康保険と扶養の関係についてわかりやすく解説していきます。
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目次
よくある誤解「国民健康保険の扶養?」
国民健康保険に扶養は・・・ない!
旦那の国保、扶養に入る・・・?
旦那 → 国民保険
妻 → 社会保険
・・・(中略)・・・
仕事を辞めて、旦那の扶養に入ろうとしていますが、この場合旦那の扶養に入った場合金額は上がりますか?それとも下がりますか?
参照:教えてgoo
夫が国民健康保険に加入している場合、夫の「扶養」に入って国民健康保険の保険料を安くすることはできません。扶養の制度があるのは、「社会保険」なのです。
社会保険の「扶養」とは
社会保険は、サラリーマンの家族で養われている人の分の保険料はタダ
社会保険は、主に会社勤めのサラリーマンが加入する保険です。この社会保険に加入しているサラリーマンを「被保険者」と呼びます。保険料は、「被保険者」分は必要ですが、一定の条件を満たし「養われている家族」と認められれば、家族分の保険料はタダです。家族が何人いても、家族分はタダです。この家族のことを「被扶養者」と呼びます。
「被扶養者」の条件は2つ ①家族として養われている人 ②年収130万円未満
「被扶養者」になるための条件は主に2つです。この2つの条件をどちらも満たせば、保険料タダの「被扶養者」になれます。
1.「被保険者」の収入で生活している家族であること
(当てはまる人で代表的なものを例示します)
- 被保険者の直径尊属(父母・祖父母など)
- 配偶者
- 子・孫・弟妹
- 同居している3親等以内の親族(おじ・おば・めいなど)
2.年間収入が130万円未満であること
簡単に言うと、「家族であって、養われている人」のうち「年収が130万円未満の人」であれば、「被扶養者」になれるというわけです。
参照:健康保険法3条7項
国民健康保険の保険料の仕組み
国民健康保険では、家族一人ひとりに保険料がかかる
先ほどお話したとおり、国民健康保険には「扶養」という考え方がありません。夫が国民健康保険に入っている場合など、社会保険に入っている家族がいなければ、「被扶養者」になれないので、たとえ生まれたばかりの赤ちゃんであっても保険料がかかります。
国民健康保険料の支払いは家族の代表者である「世帯主」
とはいえ、赤ちゃんや子どもが自分の保険料を自分で支払う、なんて不可能ですよね。そこで、「世帯主」という考え方が登場します。「世帯主」とは簡単に言うと「家族の代表者」です。国民健康保険では、この「世帯主」が家族を代表して、妻や子どもなど家族分の保険料をまとめて払うことになっています。保険料はこの「世帯主」のところに家族分まとめて請求が来る、ということになります。
参照:国民健康保険法76条
「被扶養者」になれないのはこんなとき
次のどちらかの条件に当てはまるときは「扶養」に入れない
「扶養に入れない」のは、「被扶養者になるには」の条件の裏返しになります。
1.生活費をまかなってくれている家族に社会保険の加入者がいない
例えば夫や親や子ども、兄・姉など生活費をまかなってくれている自分の家族で「社会保険」に入っている方がいなければ、「扶養」に入ることはできません。国民健康保険に入る必要があります。
2.年収が130万円以上ある
年収が130万円以上ある場合は、「家族に養われているのではない」「自立している」とみなされ、扶養に入ることはできません。
パートで働いている奥さんや、アルバイトをしている学生なども、年収が130万円を超えると、それぞれ個人で社会保険や国民健康保険に入る必要がでてきます。
国民健康保険と社会保険の扶養、どっちがいいの?
基本的には「社会保険の扶養」がやはりお得
先ほどから説明している通り、サラリーマンの方の「扶養」に入れば、何人扶養しようと保険料が増えることはありません。つまり、「扶養」に当てはまる家族が多ければ多いほど、社会保険の方が保険料は安くなります。しかも、社会保険の場合、保険料は半額会社が負担してくれているのでさらにお得です。
社会保険(健康保険)と国民健康保険の違い
収入が160万円以下なら扶養のままのほうがお得
当然、収入をどんどん増やしていけば、どこかの時点で手元に残るお金は増えていきます。扶養を外れて、国民健康保険料を自分で払う事になっても、保険料以上にがっぽり稼げばいいのです。その1つのボーダーラインがおよそ年収160万円と言われています。簡単にいうと年収が130万円以上160万円未満の場合は保険料の支払が増えて、手元のお金が減ってしまいます。が、年収160万円以上になれば、保険料を差し引いても手元に残るお金が増えていくというわけです。年収が130万円を超えそうなら、ここはもう一段目標を高くして、年収が160万円以上を目標にしてみましょう。
まとめ
社会保険の「扶養家族」は保険料がかからない、国民健康保険は家族全員保険料かかる
社会保険の「扶養」の考え方と国民健康保険の違いについて整理しましたが、いかがでしたでしょうか?社会保険の「扶養家族」であれば、家族が増えても保険料は上がりません。しかし、国民健康保険には「扶養」がないので、家族が増える分だけ保険料がかかります。
この2つの違いを理解しておきましょう。
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